TOEICのリーディングパートは時間配分が難しく、多くの受験者が最後まで解き終わることができないと言われています。
TOEICのリーディングパートでスコアアップを実現させるには、Part5 の文法問題をできる限り効率良く正確に解いて、Part6やPart7の時間を多く確保しなければなりません。
そして、TOEIC Part5 の文法問題の中でも最も多く出題されるのが「品詞問題」です。
その中でも特に数多く出題されるのが、形容詞・副詞問題!毎回必ず出題されるので、形容詞と副詞の違いや見分け方をしっかりと理解していないと、どれだけ最速で問題を解いても点数を稼ぐことはできません。
品詞問題の中の形容詞・副詞問題は、コツさえ掴めば文全体の意味がわからなくても正解にたどりつける問題が多いので、今からお伝えする12の攻略法をマスターして、時間短縮を図りましょう!
\ この記事はこんな方向け /
- TOEIC 品詞問題の特徴や頻出問題、攻略法を知りたい
- 形容詞と副詞の違いを知り、瞬時で見分けられるようになりたい
- TOEIC part5の文法問題を最速で正確に解き、点数を稼げるようになりたい
- 主に、TOEIC500~600点を目標としている英語学習初心者向け
品詞問題の特徴
「品詞問題」とは、選択肢に語尾だけが異なる単語、つまり単語の前半が同じスペルの単語が並んでいる問題です。
空欄の前後を見て、品詞(副詞・形容詞・名詞など)を判断できれば、たとえ文の意味がわからなくても解ける問題が多いので時間短縮を図ることが可能です。
品詞問題は、例えば以下のような問題のことを言います。
The candidate has agreed to work ( ) as a weekend teacher at the school until he finds his permanent job.
(A) temporal
(B) temporary
(C) temporarily
(D) temporality
(A) temporal = 形容詞 (B) temporary = 形容詞 (C) temporarily = 副詞 (D) temporality = 名詞 と選択肢が並んでいますが、この例文の場合、一般動詞 work を修飾する (C) temporarily という副詞が正解になります。
動詞を修飾するのが副詞だと理解していれば、たとえ文全体の意味がわからなくても解けますよね。
(和訳) その候補者は正社員の仕事が見つかるまで、その学校で週末だけの先生として、臨時的に働くことに合意した。
品詞問題その1: 副詞 <文の構成要素がそろっていたら副詞>
副詞とは、動詞・形容詞・副詞(つまり名詞以外)・文全体を修飾する品詞です。
副詞の問題では、文の構成要素である、S(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)を見抜くことが非常に重要になってきます。
簡単に5文型のおさらいからしていきましょう。
第1文型:SV
第2文型:SVC
第3文型:SVO
第4文型:SVOO
第5文型:SVOC
副詞とは、この5つの文の構成要素を補足する「飾り」の部分なので、空欄に何も入れなくても意味が通じる、もしくは文が成り立つ場合は、空欄の中は「副詞(句)」ということになります。
(🌟 文の構成要素の「飾り」になる部分は、副詞(句)以外に、前置詞(句)もあります)
S V O
Mr. Smith took a bus ( ) from the airport to the office.
(A) direction
(B) direct
(C) directly
(D) directive
(和訳) スミスさんは空港からオフィスまで直接バスで向かった
文の構成要素を見てみると、S(主語)、V(動詞)、O(目的語) と文に必要な要素が全てそろっているので、空欄に入るのは「飾り」である「副詞」であることがわかります。
選択肢には、(A) direction = 名詞 (B) direct = 形容詞、動詞 (C) directly = 副詞 (D) directive = 形容詞 と様々な品詞が並んでいますが、副詞は(C) directly だけしかないので、正解は(C) となります。
このように、品詞問題では 文の構成要素を確認し、文に必要な要素が全てそろっていたら、空欄には「副詞」を選びましょう。
また、副詞は、動詞・形容詞・副詞( つまり名詞以外 )を修飾できる上に、文頭・動詞の前後・形容詞の前・文末など、さまざまな位置に入る自由度の高い品詞であるので、ちょっとややこしい品詞でもあります。
今回は、TOEICで出るところだけを中心に、じっくり見ていきましょう!
攻略法①:副詞は動詞を修飾する!どんな形の動詞でも、前には副詞!
動詞の現在形・過去形・現在分詞形・過去分詞形・動名詞など、動詞がどんな形になっていても直前の修飾語は副詞になります。
We ( always ) place an order online. <副詞+動詞の現在形>
私たちはいつもオンラインで注文する
Mary ( finally ) got the job she wanted. <副詞+動詞の過去形>
メアリーはついに望んでいた仕事に就いた
Bob has been ( easily ) solving many problems. <副詞+現在分詞>
ボブは多くの問題を簡単に解決してきた
They are ( newly ) appointed by the CEO. <副詞+過去分詞>
彼らは新たにCEOによって任命された
After ( quickly ) eating breakfast, Tom left for work. <副詞+動名詞>
素早く朝食を済ませた後、トムは仕事へ出かけた。
攻略法②:形容詞を修飾するのは副詞!
副詞は動詞だけでなく、形容詞も修飾できます。なので、形容詞の直前にも副詞を置くことができます。
These meanings are (completely) different from each other. <副詞+形容詞>
これらの意味はそれぞれ全く異なっている。
The problem is ( easily ) solvable. <副詞+形容詞>
その問題は簡単に解決できる。
They are serving the (locally) grown ingredients. <副詞+形容詞>
彼らは地元で育てられた食材を提供している。
※ grownのような過去分詞形にも、名詞を修飾する形容詞の働きがあります。
攻略法③:自動詞の後には副詞!
自動詞とは、後ろに目的語が来なくても文が完結する動詞のことを言います。
自動詞の文は、第一文型(S+V)の文になるので、その後に続くのは、副詞ということになります。
The accident happened (suddenly). <自動詞+副詞>
その事故は突然起こった。
Food prices have been rising (sharply) in recent years. <自動詞+副詞>
近年、食糧価格が急激に高騰している。
攻略法④:他動詞+目的語(名詞)の後には副詞!
他動詞とは、後ろに目的語(O)が来ないと文が成立しない動詞のことをいいます。
他動詞の文は、第3文型(S+V+O)の文になるので、「他動詞+目的語(名詞)」の後ろには副詞が続きます。
Mr. Smith took a bus (directly) from the airport to the office. <他動詞+目的語(名詞)+副詞>
スミスさんは空港からオフィスまで、直接バスで向かった
攻略法⑤:受動態(be動詞+過去分詞)の後ろには副詞!
受動態とは「be動詞+過去分詞形」の形をとり、「〜される、〜られる」という意味を持ちます。
この形の後ろに空欄が来た場合、副詞が入ると覚えておきましょう。
Many companies were affected (strongly) by the world economic crisis almost a decade ago. <be動詞+過去分詞+副詞>
多くの企業が、10年近く前の世界的な経済危機で大きな影響を受けた
🌟 文法的には、be動詞+過去分詞形の間に副詞を置くことも可能です!この形にも対応できるようにしておきましょう。
Many companies were (strongly) affected by the world economic crisis almost a decade ago. <be動詞+副詞+過去分詞>
攻略法⑥:数詞の前には副詞!
「500万ドル($5 million)」のように、数を表す言葉を「数詞」と呼びます。数詞は名詞の一種ですが、例外として数詞の直前に副詞を置くことができます。
TOEICで数詞の前に来る副詞は、出題されるものがだいたい決まっています。以下を参考にしてください。
● about[almost]+数詞:およそ〜
● exactly+数詞:きっかり〜
● approximately[nearly]+数詞:およそ〜
The cost is estimated at ( approximately ) $5 million. <副詞+数詞>
費用はおよそ500万ドルと見積もられている。
攻略法⑦:助動詞と動詞の間には副詞!
助動詞とは、must(〜しなければならない)・can(〜できる)・should(〜すべきだ/〜のはずた)のように、動詞の働きを助ける言葉のことです。
助動詞は動詞に意味を付け加えて助ける働きがあるので「助動詞+動詞の原形」はセットで使われます。そして、この間に入れることができるのが、「副詞」なのです。
よく使われる助動詞は以下の通りです。
● can : 〜できる、〜かもしれない
● could : 〜できた、〜かもしれない
● may : 〜かもしれない、〜してもよい
● might : 〜かもしれない
● must : 〜しなければならない、〜に違いない
● should : 〜すべきだ、〜のはずだ
● will : 〜するつもりだ、〜だろう
● would : 〜するつもりだ、たぶん〜だろう
● have+動詞の過去分詞形(現在完了形)
(🌟 現在完了形のhaveは助動詞の扱いです)
The supplier assured us that we would ( definitely ) have our shipment by Friday. <助動詞+副詞+動詞の原形>
供給業者は我々が金曜日までに積み荷を確実に受け取れると保証してくれた
🌟 <助動詞+have+過去分詞> の形で、過去について表す表現になります。この形に副詞を伴う場合も、have+過去分詞形の間に副詞を入れましょう。
The proofreaders should have ( attentively ) reviewed each page. <助動詞+have+副詞+過去分詞>
校正者は注意深く各ページの見直しをすべきだった
品詞問題その2:形容詞
形容詞とは、名詞の説明をする働きをしたり、第2文型【S(主語)+V(動詞)+C(補語)】の形をとって、be動詞(または動詞)の後ろの補語になったりします。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
攻略法⑧:名詞を修飾するのは形容詞!
形容詞は基本的に、名詞のみを修飾します。名詞は冠詞とセットですので、<冠詞+形容詞+名詞>の語順となります。
The company made a ( significant ) change in its hiring policy. <冠詞+形容詞+名詞>
その企業は雇用方針に重大な変更を行った。
攻略法⑨:be動詞の後ろの空欄には補語になる形容詞!(※ただし例外あり)
形容詞は、先程解説した「名詞を修飾する働き」の他に、第2文型(S+V+C)の形をとって、be動詞(または動詞)の補語にすることもできます。
この場合、S(主語)とC(補語)は=(イコール)にならなければいけません。
まずは、例文を見てみましょう。
Shop owners are ( hesitant ) to carry excessive stocks. <be動詞+形容詞+(to 不定詞)>
店主は過剰在庫を持つことを躊躇している。
be動詞の後には、名詞・現在分詞・過去分詞など、他にもさまざまな品詞が入るので要注意!
be動詞の後には、必ず形容詞が空欄に入るとは限りません。
be動詞+空欄の直後の形を必ず見て、空欄に何を選べばよいかを判断しましょう。
🌟 「be動詞+( ______ )+前置詞・接続詞・ピリオド」の場合
➡️ 空欄には形容詞!
Given the size of our group, a small room should be ( sufficient ) for our meeting.
<be動詞+形容詞+前置詞>
私達のグループの大きさでは、会議には小さな部屋で十分だ。
Energy-saving products are ( expensive ) compared to ordinary ones. <be動詞+形容詞+前置詞>
省エネ製品は通常のものと比べると高価だ。
※ compared to 〜「〜と比べて」は前置詞の働きをし、飾りとなるので、第二文型(SVC)の形をとって空欄に入れるのは形容詞です!
🌟 「be動詞+( ______ )+〜ing(現在分詞)・〜ed(過去分詞)・形容詞」の場合
➡️ 空欄には副詞!
This area will be ( completely ) fenced off by next month. <be動詞+副詞+過去分詞>
この場所は来月までに完全にフェンスに囲まれるだろう。
The new system is ( extremely ) convenient. <be動詞+副詞+形容詞>
その新しいシステムは非常に便利だ。
形容詞と副詞の接辞語
形容詞と副詞の違いを見分ける方法の一つとして、接尾辞の形を覚えておくことが大事です。接尾辞を覚えておくと、形容詞と副詞を瞬時に判断できるようになりますので、時間短縮に繋がります。
攻略法⑩:形容詞の接尾辞を覚えよう!
形容詞の語尾の形は様々ありますので、一見覚えるのが大変に思いますが、慣れてくれば問題ありません。形容詞の例とともに覚えていきましょう!
語尾 | 形容詞の例 |
-able | available (利用できる)/ reliable (頼もしい) |
-ful | successful (成功した) |
-al | official (公式の) |
-ible | possible (可能な) |
-an | urban (都会の) |
-ant | significant (重要な) |
-ary | neccessary (必要な) |
-ate | delicate (壊れやすい、繊細な) |
-ent | efficient (能率的な) |
-ic (al) | basic (基本的な) / musical (音楽の) |
-ish | stylish (おしゃれな) |
-ive | effective (効果的な) |
-ous | various (様々な) |
-less | useless (役に立たない) |
-like | childlike (子供のような) |
-y | easy (簡単な) |
-ly | weekly (毎週の) |
攻略法11:副詞の接尾辞を覚えよう!
副詞は、「形容詞+ -ly」 で多くの副詞を作ることができます。
先ほどの形容詞の多くも「-ly」を語尾につけ加えるだけで、副詞になります。(※ 例外あり)
語尾 | 副詞の例 |
-ly | reliable → reliably (頼もしく) |
-ly | successful → successfully (首尾よく、うまく) |
-ly | official → officially (公式に) |
-ly | possible → possibly (ひょっとしたら、たぶん) |
-ly | significant → significantly (意義深く、著しく) |
-ly | necessary → necessarily (【否定文】必ずしも~でない・必然的に) |
-ly | delicate → delicately (繊細に) |
-ly | efficient → efficiently (能率的に) |
-ly | basic → basically (基本的に) |
-ly | stylish → stylishly (当世風に) |
-ly | effective → effectively (効果的に) |
-ly | various → variously (様々に) |
-ly | useless → uselessly (無駄に) |
-ly | easy → easily (容易に) |
-ly | weekly (毎週の) → weekly (週1回) 【※ 形容詞・副詞ともに同じスペル】 |
攻略法12:形容詞・副詞の接尾辞の例外
語尾が-ly の語句のほとんどが副詞ですが、中には語尾が -ly で終わっているのに副詞でなく形容詞のものもあります。以下を参考にしてください。
🌟 語尾が -lyで終わる形容詞
daily | 毎日の |
weekly | 毎週の |
monthly | 毎月の |
yearly | 毎年の |
costly | 高価な |
lovely | かわいい |
friendly | 親しみのある、親切な |
timely | 適時の |
likely | ありそうな |
unlikely | ありそうもない |
lonely | 孤独な |
lively | 元気な |
品詞問題(形容詞・副詞) まとめ
TOEIC part5 品詞問題の形容詞・副詞の違いや見分け方について解説しました。もう一度おさらいすると…
<副詞>
● 補語にはならない
● 動詞・形容詞・副詞(名詞以外)・文全体を修飾する
<形容詞>
● 補語になる
● 名詞だけを修飾する
● 動詞・形容詞・副詞は修飾しない
TOEICの品詞問題の中でも、形容詞・副詞問題は出題数が特に多いので、違いや見分け方をマスターしてぜひスコアを稼いで下さいね。
🌟 もっと実践的にTOEIC対策をしたい方は、こちらの記事を参考にして下さい。
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